システムを発注する際「帳票機能」という言葉をよく耳にしますが、そもそもシステムにおける帳票とはどのようなものなのでしょうか。
この記事では帳票の持つ役割や種類、システム発注時に注意すべきことなどをご紹介します。
帳票とは
基本的な考え方
システム開発における帳票とは、業務データ(業務の結果・成果)を一定の形で出力する機能を指します。
その際、出力する媒体が物理的な紙であるか、PDFやExcelなどの仮想的なものであるかは問いませんが、「あらかじめ定められた形式」で「一定のルールに従って出力する」ことが一般的です。
役割
帳票は主に業務の証跡となる役割があります。
「社外取引」「社内報告」「法的・契約的根拠」などの証跡となり、その内容を定量的に示す資料としての役割を持っています。
帳票の主な種類
社外向け帳票
「請求書」「納品書」「見積書」などが挙げられます。
取引先との契約内容や取引内容の証跡となるため、レイアウトや表記ルール(桁数の省略方法や小数点の有無など)を厳密に定めることが一般的です。
社内向け帳票
「売上集計表」「在庫一覧」「月次報告書」などが挙げられます。
社外向け帳票や、後述する保存・監査目的の帳票ほど見た目の厳密さは求めないことが多いですが、業務判断などに使用される性質上、正確な集計を行えているか、価値のあるデータ収集が出来ているかといった目線で内容を吟味する必要があります。
保存・監査目的の帳票
「会計帳簿」「監査資料」などが挙げられます。
どういった保存形式か、どの期間を対象とした資料なのか、といったことが対外的に把握出来ることが重要です。
その利用目的から、後から再出力出来ることも一般的に求められる機能になります。
システム発注時の注意点
帳票の網羅・一覧化
帳票に限った話ではありませんが、システム開発は作るものをあらかじめ網羅しておくことがコスト削減・品質向上の観点で最も重要と言えます。
帳票は画面に比べると追加するのが簡単そうに思えますが、システム開発中に後から追加するとなると「どのデータをどこから取得するのか」「他の機能に影響はないか」など見直さないといけないことが以外と多く、開発費の高騰や遅延の原因になります。
必要な帳票は最初に洗い出しておきましょう。
出力形式
前述したように、帳票の出力形式は紙媒体をはじめExcelやPDF、CSVなど目的に応じて様々な形態が存在しますが、こちらも帳票の網羅時に合わせて決めておくべき事項になります。
印刷時の見た目がほとんど同一のExcel帳票とPDF帳票があったとしても、システムの観点ではそれぞれで全く異なる実装が必要となります。
コスト削減のためにも、各帳票がどういった形式で出力されるのか厳密に定めておくのは重要なことです。
各形式がどういった場合に優れているのかは、別の記事でご紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひご参照ください。
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出力内容・ルールの整理
社外向け帳票の項でも記述したように、帳票の目的によっては、レイアウトや表記ルールを厳密に定めるべき場合が存在します。
一方、社内でのみ使用する帳票は、レイアウトの厳密さよりも見やすさや帳票1枚当たりの情報量などが重視される傾向があります。
どういう目的で、どのようなシーンで使用するのかという視点を軸に各帳票のルールをあらかじめ指定しておくことが、目的に合致した品質に繋がります。
おわりに
システム開発を発注する際、「とりあえず今業務で使っているものと同じ帳票が出ればいいかな」という軽い気持ちで要件をまとめたものの、実際に開発が進行するうちに細かい要望や改善点に気付き、「出力形式だけ変えたい」「1つだけ情報を増やしたい」といった要件を追加してしまい、当初想定していたよりも開発コストや開発期間が膨らんでしまうといったケースは、システム開発の現場でよく目にします。
帳票はただ情報を出力した結果ではなく、業務内容から拾い上げた様々な情報を証跡としてまとめた重要資料であり、その開発には綿密な事前調査と膨大な性能試験が必要になります。
帳票の特性や早期整理すべきことを押さえて、システム開発のコスト削減に繋げましょう。
