【解説】システム開発におけるスケジュールとは？種類や用語紹介

スケジュールとは

システム開発には、発注者側の要求に応じてシステムを開発するまでの手順があり、それを実際に作り上げて使用するまでの手順があります。
この過程は、一定のスケジュールに従って進められ、どのようなプロジェクトであっても基本的な手順は同じです。

スケジュールの種類について

マスタースケジュール

マスタースケジュールとはプロジェクトのスケジュールを大まかに表した工程表のことです。
規模が大きなプロジェクトでは、様々な組織や企業との連携も重要です。そのため、数多くの工程が複雑に絡み合いプロジェクトをスムーズに進行させるには関係者全員がスケジュールを把握することが大切です。

詳細スケジュール

マスタースケジュールと詳細スケジュールは連動します。
詳細スケジュールを作成する場合、マスタースケジュールの期間内に収まるように要員を配置したりタスク割り当てをおこないます。
そのため、マスタースケジュールの変更が発生すると詳細スケジュールの見直しも必要になります。

スケジュールの重要性

プロジェクト全体の進捗およびスケジュール把握のため

システム開発のスケジュールは、大きく分けて「要件定義」、「設計」、「開発」、「テスト」、「リリース」の工程から構成されます。
システム開発のプロジェクトを成功させるためには、依頼する発注者側と開発側の双方がスケジュールの全体像を理解し、共通認識のもとで進捗を管理することが重要です。
適切なスケジュール管理により大幅な遅延や納期に間に合わないなどのリスクを回避し、計画通りに作業が進んでいるかを確認できます。
また、スケジュールを組む過程で省略できるタスクを見つけることもできます。これらにより、無駄のないプロジェクト進行が可能となり、効率的なシステム開発に繋がります。

トラブルへの迅速な対応のため

システム開発のプロジェクトでは、予測していないトラブルが付き物です。
そのような場合でも、適切なスケジュール管理を作成することによって迅速かつ効果的なスケジュール対応が可能となります。
問題が発生した段階や、解決のためにどの工程まで戻る必要があるのか、どの工程を変更すれば良いのかを素早く判断することが可能です。
このことにより、適切かつ迅速なリカバリーが可能となり、プロジェクト全体への影響を最小限に抑えることができます。

関係者内での情報共有

プロジェクト内でのスケジュールを適切に管理し、チーム内の各メンバーのスケジュールが共有できている場合、誰が何をいつまでに行おうとしているかが把握しやすくなります。その結果、チーム内のタスクを適切に割り振ることが可能となり、結果として円滑に作業を進めることができます。

発注者側と開発側の信頼に繋がる

適切なスケジュール管理をおこなうことでタスクの締切に間に合うよう作業を進めることができます。
これは開発側だけでなく発注者側からも「見える化」されているため、スケジュールに沿った進行で発注者側と開発側の信頼関係にも繋がります。

スケジュールの話し合いで使用される用語

リスケジュール(リスケ)

リスケジュール(リスケ)とは、「日程や予定の再調整」という意味です。
ビジネス現場で頻繁に使われる言葉で、システム開発の場合はスケジュールの変更や日程調整で使用されます。

オンスケジュール(オンスケ)

オンスケジュール(オンスケ)とは、作業や計画がスケジュールどおりに進んでいることを意味します。予定どおり、問題なく円滑に進んでいる状態でスケジュールより前倒しの場合もこの言葉が使われます。

ペンディング

ペンディングとは、タスクや作業が保留状態にあることを意味します。
何らかの問題でタスクや作業が現状進められない状態であり、「先送り」や「一旦中止する」場合に使用される言葉です。

発注者側が抑えておくべきスケジュールの考え方

システム開発において、抑えておくべきスケジュール内容は発注範囲だけでなく仕様変更も大切です。
仕様変更におけるシステム開発の影響範囲は、開発したプログラムや開発途中のプログラム、場合によってはシステムの動作環境にも及びます。プログラムを修正したことによる追加テストも発生し、工数が加算されてしまいます。
そのため、発注時に仕様変更が発生するかを意識し、そういった場合のスケジュールリスクも十分考慮する必要があります。

おわりに

システム開発におけるスケジュールについて解説いたしました。