業務システムを発注する時に登場する「エクスポート機能」というキーワード。
この記事ではエクスポート機能(出力機能)とは何かを解説すると共に、システム発注に失敗しないための注意点などをご紹介します。
エクスポート(export)とは
単語の意味
「持ち出す」「運び出す」などの意味を持つ英語の”export”を基にしています。
システムにおける「エクスポート機能」は、データを外部に書き出す(出力する)役割を持っており、出力する動作のことを、そのまま「エクスポートする」と呼称することもあります。
機能の位置づけ
業務システムと聞くと、情報の入力や閲覧を行うための「画面」で構成されているというイメージを多くの人が持っているかと思います。
システムとしては画面のみで完結するように思われがちですが、画面内の情報は「提出」「保存」「分析」などの目的でシステムの外に書き出す必要が発生します。
エクスポート機能は、そういった目的に応じてデータをシステムの外に持ち出すための機能になります。
目的ごとの出力形式
上述したように、「提出」「保存」「分析」を行うために必要となるエクスポート機能ですが、各目的に応じて選択すべき出力形式が異なります。
定型的な帳票出力
上述した目的のうち「提出」「保存」に関しては、紙媒体またはPDFファイルが向いています。
紙媒体やPDFは、内容を出力後に変更することが難しい側面から、レイアウトや表記ルールが定型的な、社外取引に用いる帳票や、法的・契約的根拠を担保する帳票に適しています。
帳票とは何か、帳票の種類などについては、以下の記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひご参照ください。
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分析・加工用の出力
「分析」に関しては、レイアウトの厳密さよりも情報の記載量や加工のしやすさが重視されるため、Excelファイルが向いています。
また、エクスポート後に別のシステムなどで再度データを取り込む必要がある場合は、あまり聞き馴染みのないファイル形式かも知れませんが、CSVファイルが適しています。
発注時に起こる誤解
最後に、エクスポート機能についてシステム発注時に生じやすい誤解を基に、正しい知識と考え方についてご紹介します。
誤解①「出力できれば同じ」
上述したように、エクスポート機能では目的に応じて出力形式を選択する必要があります。
もしも目的に適さないファイル形式で出力するような状態だと、「見た目が厳密に決まってるのに、出力するたびに行数が違う」「出力された情報を見ながら、手作業で計算が必要」など、使いづらい機能になってしまいます。
誤解②「後から決めればいい」
仮に、Excel形式でエクスポートする機能と、PDF形式でエクスポートする機能があるとします。
2つの機能で出力したファイルの見た目や内容がほとんど同じだったとしても、システムの観点ではそれぞれで全く異なる実装が必要となります。
そのため、「Excelで出力する機能が納品されたけど、やっぱりPDFに変えよう」となると、Excel形式のエクスポート機能分の開発コストが無駄になってしまいます。
誤解③「Excelで出せば何とかなる」
出力形式の選択肢として、ある程度自由にレイアウトを定められ、加工も容易であるExcelは重宝されます。
ただ、Excelの機能性に頼りすぎるあまり「レイアウトはExcel出力後に微調整する」「とりあえず必要なデータを全部出力してExcel上で計算しよう」といった状況は避けるべきです。
細かな手作業が介在すると、ひとつひとつは大したことない作業だったとしても、操作ミスや作業結果の偏り、作業工数の増大に繋がります。
おわりに
エクスポート機能は「とりあえず何らかのファイル形式で情報を出すもの」と思われがちです。
しかし、目的を意識して体系的に分類すると、どのような形式・ルールで出力すべきかが明確になってきます。
早い段階で要件を整理することで、より低コストで機能性の高いエクスポート機能を実現出来ます。
