納品フェーズでやること

システム開発の発注を検討されている方に向けて、納品フェーズの検収とは何か、検収後の不具合の対応などについて解説いたします。

検収とは

検収とは、開発が完了し納品されたシステムを仕様通りに動くかどうか発注者側が操作し、確認する工程です。

作成された仕様書を元にシステムが正しく動作しているか発注者は確認を行い、仕様書通りに動作したことが確認できれば、発注者は開発者に報酬の支払いを行います。

検収仕様書は発注者と開発者の双方の合意を持って作成されます。

検収においての要点

検収は発注者が主体となりますが支払いに関わることになるため、トラブルを防ぐためにも契約上、開発者とあらかじめ定めておくべきことがあります。それが、検収期間と検収内容です。

検収期間を定める

発注者が検収完了しない限りシステムが納品されたとみなされず、開発者に報酬が発生しません。いつまでも検収期間を先延ばしすると開発者への支払いに影響が出ます。

そのため、発注者と開発者で期限を定めておく必要があります。

検収期間が短すぎると発注者側の負担になりますし、長いと報酬の支払いまで期間が延び、開発会社を圧迫します。両者で話し合い、妥当な期限を設定することが重要です。

検収内容を明確化

検収の項目を明確に仕様書に記載します。先に検収内容を発注者と開発者で決めておき、基準を定めておくことで検収でのトラブルを防ぎます。

検収内容は発注者と開発者での合意の上で決まります。

中間検収とは

中間検収とは、開発の工程の途中で検収を行い報酬を支払うことです。

要件定義や設計段階等で、成果物を納品し検収を行うことです。

システム開発は成果物の完成まで非常に期間のかかる場合があります。成果物が未完成の期間は報酬の支払いは行われません。

そのため、途中で分割して納品検収を行い、報酬を各工程ごとに支払うようにする中間検収で契約する場合があります。

こちらも、発注者と開発者の間で合意があった上で行われます。

近い意味で工程ごとに検収を行う「分割検収」もあります。「多段階契約」で扱われる場合の多い検収方式です。

多段階契約とは

システム開発を工程で分けて各工程で締結を行う契約です。全工程を一括で締結する契約としては「一括契約」があります。

多段階契約は工程ごとに成果物を納品されるため、発注者から見て進捗が分かりやすくなる契約です。

その他、システム開発の契約には成果物に対して支払いを行う「請負契約」、労働時間に対して支払いを行う「準委任契約」があります。

検収で不具合が発見された場合

検収の中で仕様から外れている事項、不具合が発生した場合は、開発会社に改修を依頼することができます。

ただし、検収中に全ての不具合を見通すことは難しいため、検収後に不具合が発見されることも珍しくありません。

そのシステムが請負契約の場合「不具合があるってことはこのシステムは完成していないということでは?」と返金を求められると思う方もいるかもしれません。

ですが、原則、不具合があっても契約時に定義した成果物が納品され、検収が完了した場合はシステムに報酬が支払われる必要があります。

そして、契約不適合の範囲で開発会社に改修を求めるのが正しい対応になります。

また、準委任契約の場合は成果物の完成への責任と契約不適合が適応されませんので、ご注意ください。

契約不適合責任とは

システム開発における契約不適合責任とは、契約内容と不適合な不具合(欠陥や障害など)が存在した場合に、開発者はそれらを修正するよう定められた責任です。

システム開発において、不具合(バグ)の発生はどうしても避けられません。そのため、その不具合を開発者のテストや検収によってチェックするのですが、それらの過程でも発見しきれない事があります。

そんな不具合が納品後に発覚した場合でも、契約不適合責任が適用される範囲であれば、無償で修正が可能な場合があります。

これは、2020年4月に瑕疵担保責任から民法が改正されたもので、

  • 変更前の「瑕疵担保責任」:納品完了から1年間
  • 変更後の「契約不適合責任」:不具合発覚から1年間

と期限が変更されており、この期限内に生じた不具合に対して開発者は修正する責任があります。

契約形態による不具合の対応の違い

契約が請負契約か準委任契約かによって、完成義務や、不具合の対応が異なります。そのため、契約不適合責任も、契約形態によって適用の可否に違いがあります。

請負契約の場合

請負契約とは納品された時点で成果物に対して報酬を支払う契約になります。そのため、成果物としてのシステムの完成義務があります。

この契約では、納品、検収後に不具合が発覚した場合に、契約不適合責任が適用されます。

準委任契約の場合

準委任契約は完成したシステムに対してではなく、システム開発の作業工数に対して報酬を支払う契約です。請負契約と異なり、システムの完成義務がありません。

ですが、全く責任が無いわけではなく、準委任契約には「善管注意義務」が義務付けられます。

善管注意義務とは管理者の下で社会通念上最低限の注意を払い業務を遂行する義務となります。

また、納品後に不具合が発覚した場合に、契約不適合責任が適用されません。

検収後の対応に関しての注意

納品後、システムに不具合があるため、未完成の状態なので、返金を求めるということはできません。成果物の納品が完了以降は契約不適合責任の範囲の中で、修正対応、賠償を求めることになります。

また、検収期間と同様、発注者と開発者の間で契約を取り交わす必要があります。

契約不適合に当てはまる問題範囲や対応内容を契約書上でも明確にしておく必要があります。

納品フェーズについて

納品フェーズについて解説いたしました。

  • 検収とは、開発が完了し納品されたシステムを仕様通りに動くかどうか発注者側が操作し、確認する工程。
  • 中間検収とは、開発の工程の途中で検収を行い報酬を支払うことを指す。
  • システム開発における契約不適合責任とは、契約内容と不適合な不具合(欠陥や障害など)が存在した場合に、開発者はそれらを修正するよう定められた責任。

メディアファイブでは検収テストはテスト環境での動作を想定しており、検収テストで利用したデータは、本番環境へのリリース時にクリーンアップを行うため、気兼ねなく・ご自由にテストを行っていただけます。検収テストの中で不明点などあれば随時サポートいたします。

検収テストで問題ないことを確認いただければ、本番環境へリリースを実施いたします。

既存システムから新システムへ切り替える場合には、必要に応じて新システムへのデータの移し替えなどのサポートも実施いたしますので、ご安心ください。

メディアファイブは、自社エンジニアによってお客様の業務改善・課題解決につながる高品質なシステムを開発します。

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開発の流れ

このページでは納品フェーズについて解説いたしました。

次回は、運用フェーズについて解説いたします。

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