システム開発にも納品後はそのシステムが仕様通り正常に動くものかどうか「検収」を発注者が行います。検収に合格するとようやく納品完了となり、発注者は開発者に報酬を支払うことになります。
しかし、残念ながら検収は期間も限られていますし、その中で全ての不具合を洗い出すのは難しく、後で発覚することは少なくはありません。
「検収が終わった後にシステムに不具合が見つかった!」「けれど、これって修正してもらえるの?」という疑問があるかもしれません。
実は請負契約の場合、システムの成果物に対する責任として「契約不適合責任」というものがあります。その責任範囲に適用されるものであれば、修正を無償で依頼することができます。
システム開発の発注を検討されている方に向けて、検収後の不具合対応についてご説明いたします。
システムの「検収」とは
成果物としてのシステムが仕様通りに正常に動作するかどうか確認することがシステム開発においての「検収」になります。
検収は発注者と開発者との合意を持って期間、内容を定める必要があります。
また、システム開発の途中でフェーズを分けて検収を行う「中間検収」があります。
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納品後に発生する不具合の対処
システム開発において、不具合(バグ)の発生はどうしても避けられません。そのため、その不具合を開発者のテストや検収によってチェックするのですが、それらの過程でも発見しきれない事があります。
そんな不具合が納品後に発覚した場合でも、契約不適合責任が適用される範囲であれば、無償で修正が可能な場合があります。
契約不適合責任とは
システム開発における「契約不適合責任」とは、契約内容と不適合な不具合(欠陥や障害など)が存在した場合に、開発者はそれらを修正するよう定められた責任となります。
これは、2020年4月に「瑕疵担保責任」から民法が改正されたもので、
- 変更前の「瑕疵担保責任」:納品完了から1年間
- 変更後の「契約不適合責任」:不具合発覚から1年間
と期限が変更されており、この期限内に生じた不具合に対して開発者は修正する責任があります。
契約形態による不具合の対応の違い
契約が「請負契約」か「準委任契約」かによって、完成義務や、不具合の対応が異なります。そのため、契約不適合責任も、契約形態によって適用の可否に違いがあります。
請負契約の場合
「請負契約」とは納品された時点で成果物に対して報酬を支払う契約になります。そのため、成果物としてのシステムの完成義務があります。
この契約では、納品、検収後に不具合が発覚した場合に、契約不適合責任が適用されます。
準委任契約の場合
「準委任契約」は完成したシステムに対してではなく、システム開発の作業工数に対して報酬を支払う契約です。請負契約と異なり、システムの完成義務がありません。
ですが、全く責任が無いわけではなく、準委任契約には「善管注意義務」が義務付けられます。
「善管注意義務」とは管理者の下で社会通念上最低限の注意を払い業務を遂行する義務となります。
また、納品後に不具合が発覚した場合に、契約不適合責任が適用されません。
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検収後の対応に関しての注意
納品後、システムに不具合があるため、未完成の状態なので、返金を求めるということはできません。成果物の納品が完了以降は契約不適合責任の範囲の中で、修正対応、賠償を求めることになります。
また、検収期間と同様、発注者と開発者の間で契約を取り交わす必要があります。
契約不適合に当てはまる問題範囲や対応内容を契約書上でも明確にしておく必要があります。
納品後に不具合が発覚した場合
検収が終わった後に不具合が発覚した場合の解説でした。
- 納品完了後に発生した不具合は「契約不適合責任」の範囲で開発会社に修正を求めることができる。
- 契約形態によっては「契約不適合責任」が適用されない。
- 請負契約の場合は契約不適合責任が適用される。
- 準委任契約の場合は契約不適合責任が適用されない。
メディアファイブでは納品後に不具合が発覚した場合でも、契約不適合責任に基づいて無償対応させていただきます。
メディアファイブは、自社エンジニアによってお客様の業務改善・課題解決につながる高品質なシステムを開発します。
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